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【Bitdefender海外ブログ】シノロジー(Synology)製NASが大規模なブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)の標的に
SECURIE SOHO 2021.8.26
NASはランサムウェアの標的になりやすい
シノロジー社は、自社のネットワークアタッチドストレージ(NAS)製品に対する複数の攻撃を特定しました。「ステルスワーカー」と呼ばれているマルウェアに始まり、よく使われているID/パスワードなどを使ってデバイスに侵入します。
NASは標的にされやすく、攻撃者は常に侵害する方法を探っています。脆弱性を利用する場合もありますが、時にはもっと直接的な方法を取ることもあります。直近の攻撃では、攻撃者は弱いパスワード、またはよくあるID/パスワードの組み合わせを使ってログインを試みます。成功すると、ランサムウェアのような悪意のあるプログラムを含んだペイロードをデバイスに配置します。
「ボットネットはマルウェアの一種である「ステルスワーカー」から引き起こされたと考えられる」「現時点で、シノロジーのPSIRT(製品セキュリティ事件対応チーム)は、ソフトウェアの脆弱性を利用したマルウェアは確認していない」とシノロジー社のセキュリティ担当者は説明しています。
パスワードの強化や多要素認証の設定を推奨
この攻撃はボットネットによって自動化されたものです。侵害されてボットネット化したデバイスは、シノロジー製のNASを含むLinuxデバイスに攻撃を実行しようとします。
「より詳細を把握し、マルウェアの裏にあるとみられるC&C(コマンドアンドコントロール)サーバをシャットダウンするため、シノロジーのPSIRTは関連するCERT(セキュリティ危機対応組織)と連携している。並行して、シノロジー社は影響を受ける可能性があるお客様への通知も行っている」とシノロジー社は述べています。
この攻撃は特定の脆弱性を悪用したものではないため、弱いパスワードを使っている場合には変更するようにユーザーに呼び掛けています。シノロジー製のNASには、一定数のログインが失敗した場合に、自動でIPアドレスをブロックする機能も搭載されています。それに加えて、できるだけ早く多要素認証を設定しておくことも不可欠です。攻撃者が有効なID/パスワードを入手しても、他のレイヤーのセキュリティでブロックできるからです。不要なポートを閉じておくこともおすすめします。
NASには通常、バックアップデータや個人情報など、価値の高い情報が保存されています。そのためIoTデバイスの中で最も攻撃されやすく、攻撃者が侵害する方法を常に探しています。
翻訳元記事 Synology NAS Devices Targeted in Large-Scale Brute-Force Attack
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